JISMUG Home

2003.01.08
Written by
HAL2
 

OSX 10.2x Jaguar によって開かれた新しい OS の Standard

Page 1 2 3 4 5
   
OSX 10.2x Jaguar が Release されて OSX も本格的に「使える」OS として形が整ってきた感がある。
OSX 10.15 までは周辺機器 Driver が未整備であったり、Finder の Response に不満の声が大きかったものであるが、OSX 10.2 では周辺機器 Driver が揃ってくると共に Finder Response も従来の Quick Time に取って代わる新しい Graphics Management Engine である Quartz によって大幅に改善されている。

ただし、Quartz の運用には 16MB 以上の VRAM (Main Memory ではなく、Video Memory) が推奨されており、8MB しか Video RAM を持たない Powerbook G3 Firewire や iBook 700 級の Macintosh では OS9 に較べて未だに明らかな Response 低下が認められることを了承しておく必要がある。
Classic 環境からの Boot を切り捨てた Powerbook G4 では G4/867MHz、DDR-SDRAM を用いた 266MHz/333MHz Bus、32MB VRAM を実装する NVidia GeForce 4 及び ATI Radeon 9000 GAP (Graphics Acceleration Processor) を搭載してしおり、OSX 10.2x はこの Class の能力を持つ Macintosh で初めて快適に使える OS であると見ることもできる。

OSX10 OSX10.2 Jaguar の特徴

OSX は見た目の Interface も Classic 環境のそれとは全く異なる発想で生まれた Graphic User Interface であるが、その使い方は実際に使って身体に覚え込ませていただくものとして(苦笑)、OSX 10.2 における幾つかの特徴を紹介しよう。

Open Source UNIX BSD "Darwin"

Personal Computer 用 OS (Operating System) は言うまでもなく Windows と MacOS 及び UNIX 系 OS があるが、MacOSX は その Core Program である Darwin に UNIX 系列の BSD (*1) 仕様を採用している。

UNIX BSD を採用したことによる最大の Merit は Security Hole に対する対応の早さではないだろうか。

MacOS は元々独自の File Management System により Hacking に強い性格があり、かつては米国防総省の機密書類を Macintosh で取り扱っていたという話もあるほどであるが、不特定多数の Cracker 達に対する防御に Apple 社 1 社の技術陣だけで対応するには心許ないものがる。

MacOSX が UNIX 化したことにより Programming 能力に長けた UNIX Hacker 達が続々と Mac を使い始めるようになった。
勿論このことにより Source が公開されている Darwin 部分に攻撃を仕掛ける Virus Program を作成する Cracker 達が多数出現することも否めないのであるが、UNIX Community では Virus の発見から駆除に至る対応の早さに於いて他 OS とは較べものにならない対応力を持っている。

例えば Security Update 2002-11-21 では ISC (Internet Software Consortium) によって BIND (Berkeley Internet Name Domain) Program の Security Hole Patch が配布されたが、ISC が BIND の Security Hole を発表したのが 2002-11-12 であり、Security Hole Patch ができたのが 2002-11-16、Apple 社では 5 日遅れで Security Update を発表している。

Classic MacOS や Windows では Security Hole が発見されても修正 Patch が Release されるまでに数ヶ月待たねばならなかったが、MacOSX では数日以内に Software Updater が自動的に Security Hole Patch を Download、Install するにまでになっている。

Cracking の可能性が高まった Demerit と対応力が向上した Merit との Balance が User 環境をどのように変化させて行くかは予断を許さないところであるが、Crack され易い機能部分の多くが Default では Off になっていることもあり、一般 User にとっては「Apple Software Updater の Update は確実に実行」しておけば他 OS のように Security 問題に脅える要素は少なくなっていると言えよう。

    BSD (*1):Berkeley Standard Division。UC (University of California), Berkeley 校から発祥した UNIX OS。UNIX OS には他に AT&T Standard、Linux、QNX 等大型 Computer 用から機器組込用の Real Time OS まで多数の OS がある。

Preemptive Multitask

「CM では「OS が Freeze しない」「完全な Multitask 環境」などと言う謳い文句が目に付くが全く Freeze しないわけではなく、右写真のような ClassicOS ならば Sad Mac に相当する Message を出して Hung することもある。(Error Code が FF:FF:FF:FF:FF:FF となっているところが Sad Mac を思い起こさせる(笑))

Classic MacOS でも文章入力実行中に他の書類を Print Out したり、File を Download するといった Multitask 環境が提供されていたが、これらの Task 管理は Finder が一元的に行っていたことから、一つの Program が Freeze して Finder の足を引っ張ると他の Application も一緒に固まってしまう性質があった。

MacOSX が提供する Multitask 環境は Finder までもが Application の一つとして分離独立運用されていることから一つの Application が Freeze しても他までもが共倒れすることはない・・・ことになっている。
それでも根幹部分が倒れると右写真のようなことになるので必ずしも「Freeze しない OS」というわけではない。
ちなみに決して Freeze させてはならない UNIX Server OS や旅客機の Auto Pilot Navigation System 等
では複数の OS を並列で走らせることにより 1 つの OS が落ちても他が直ちに代行するようになっているものもあるが、Personal Computer 用 OS でそこまでやるのは時期尚早なのであろう。

Preemptive とは "先取りする、先物" という意味であるが、Pre-Empty "空っぽの状態の前に" という言葉の構成が示すように、Application Program を Memory に展開して実行する前にその Application Program が使用する Memory 領域と他の Application Program が使用する領域とを明確に分離するというものである。
従来の MacOS では大きな机の上 (Desk Top) に沢山の書類を積み上げて書類を入れ替えながら仕事をする感があったが、MacOSX では書類ごとに小机を用意して別々に作業するような環境なので、一つの小机で書類が貼り付いてめくれなくなっても他の小机での仕事には影響がないようになっている。(ただし、仕事する本人が他に気を奪われて現実逃避に入ってしまっては元も子もないのは致し方ない(苦笑)もので、右上の Error のような事故が減るには更なる OS の Brush Up を待たねばなるまい。)

Journal (MacOS10.23)

MacOS10.23 から実装された機能であり、MacOS10.22 以前の Version には実装されていない。また、MacOS10.23 でも Journalizer などの Freeware を用いるか Terminal Mode で "sudo diskutil enable journal / " を実行しないと機能を利用することはできない。

Apple では Journal の技術資料を公表していないが、BeOS Engineer が Apple に移籍して作ったものと言われていることから BeOS の技術資料から引用すると、Journal System は HDD (Hard Disk Drive) の Read/Write を行う度に Transaction Record を RAM に生成し、動作直後に HDD にその Log を残すようになっているようである。
これにより HDD が File を Copy 中に電源が断たれても断線直前までの動作記録から動作を復帰できる仕組みになっている。MacOSX10.22 以前の OS では HDD File Copy 中に断線すると Directory 作成/Data 書き込み/Allocation Table 変更という一連の動作の途中で動作が断ち切られることから File Management System に不整合が生じ、最悪の場合は Volume Header Bit Map 部が壊れて Disk を Mount できない状態に陥る場合もあるが、MacOSX10.23 以降はそのようなことは起きない・・・筈である。
(実は、上右の Error 写真は MacOS10.23 の Journal 機能を On にした Volume を他 Volume の OSX10.23 にある Norton Disk Doctor 7.03 で検証した際に起こった事故である。事故は VHB 検証中に起こっており、一時的に他の MacOSX 10.2 Volume から Disk Utility によってもその Volume を Mount できない状況に陥ったことから、不可視 File となる Journal Log File の存在がなんらかの不都合を生じている可能性もある。)

i-Application

Nut & Screw 派(ネジッ釘野郎:技術盲信型) には CPU (Central Processing Unit) の Clock 周波数といった Hardware Spec' や UNIX BSD 周辺の OS Programming に目を奪われがちであるが、Apple 社が強力に押し進めている MacOSX 環境は Darwin や Cocoa といった OS 根幹部の Program ではなく、User Interface に最も近い位置にある i-Application 群と言っても過言ではない。

既にiDisc、 iPhoto、iMovie、iTunes、iCalc、iDVD、iSync といった i Series の Application が単体で Release されているが、Apple が目指す i Application 環境は「従来の、そしてこれからの Personal Computing に要求される事象の全てを Seamless に統合した i Application で提供する」ことであり、Claris Works を Bundle した Macintosh Performa Series が目指した環境をより Brush Up して提供しようというものである。既に英語では音声認識及び読み上げ機能を標準搭載しているが (日本語も IBM 社の Via Voice で音声入力、読み上げが可能である) .Mac/iDisk と連携した作業環境を整備しつつある i Application 環境では音声認識 Engine を .Mac の AI (Artificial Intelligence:人工知能) Server 側に持たせることで高度な音声認識、画像 (映像) 判断、対応演算を行わせて、人と Mac とが音声で話し合って作業を進めていく環境へと進化して行くことも夢ではないかも知れない。


次へ